初めて買ったリジッドのジーンズについて

ここ10年くらい加工もののジーンズを買っていない。
古着で色落ちしたものを買うことはしばしばあっても、ほぼリジッドのジーンズを穿き潰し続けている。

そもそも服を買うことが減っているんだけど。

リジッドのジーンズを穿くようになったきっかけを思い出してみる。

きっかけ

高校生のころにNumber (N)ineのジーンズを買ったことがあった。
メンズノンノやらファッション誌に頻出し、ブランド名はビートルズの「レヴォリューション#9」からつけられ、コレクションは(後期ではやらなくなったが)毎回ロックアイコンをモチーフにしているという、高校生のぼくが食いつくには理由がありすぎるブランドだ。
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今見ても格好いい。これはWelcome to the Shadowというタイトルで、アクセル・ローズがモチーフだったシーズン。
デザイナーが退任し、今ではブランドは残っているものの事実上過去の人気アイテムのアーカイブをリリースする程度の展開に縮小しているが、当時新作が並ぶ際には本店に並びができ即ネットでプレ値で取り引きされるくらいの人気があった。

高校生のぼくにはその本店はなんとなく敷居が高かった。しかしNumber (N)ineの服はほしかった。
そこでぼくは伊勢丹メンズ館内に出来たばかりの店舗に行った。コムデギャルソンらと同じ国内デザイナーズブランドフロアだった。
なけなしのバイト代で、ジーンズを買った。初めてのNumber (N)ineだ。

それがぼくの初めて買ったリジッドのジーンズだ。
ハート涙のレザーパッチ、PAINと書かれた赤タブ。

失敗を犯す

ただその時は、ジーンズに関する知識はほぼなかったし、色落ちがどうこうとも考えていなかった。
単純に加工ものが高くて買えなかったのだ。

高校生だから私服を着る機会は少なかった。あまり穿く頻度は高くない中適当に洗濯を続けるそのうちに気づく。

「なんか色味格好悪くなってきたな……」

のっぺりした、大して穿き込んでいないのに洗濯を繰り返したジーンズ特有の野暮ったさが目立ち始めた。
ぼくは、ジーンズは変化していくものだと知る。

DNAでDIY

その頃ぼくは革ジャンデビューを果たし、レザーの手入れに余念がない大学生だった。
経年変化というものに魅せられていたのだ。革もデニムも、使えば表情が変わる。そして愛用し続ければ、世界にふたつとないオリジナルが出来上がる。

男というのは、なぜかこういうものに弱いのだ。理由はわからないが、恐らくもう本能的に組み込まれていると思う。
ガキの頃から「自分で作る○○セット」とかが好きだったし、ミニ四駆なんかもそう。男ってのはDIY精神が遺伝子レベルで備わっているのだ、きっと。

とにかく、こんな感じでぼくは新しいジーンズをいちから始めることにした。
そこでファッションに対して価値観が大きく変わり始めるのだが、その話はまた今度。