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ロックンロールの解体と再構築について

音楽

ロックンロールとは何か

楽典的に言えば酷く単純だ。

3コードのブルーズ進行をシャッフルビートで演奏する。これだけ。
チャック・ベリー、リトル・リチャードなどなど過去の偉人のレコードに針を落とせば、いくらでもサンプルがある。

しかしそのオールドスクールなルールもしばしば破られる。
しばしばどころではないか。
かなりの頻度で。

世界最高のロックンロールバンドと言われるローリング・ストーンズのあらゆる曲が3コードなのかというと、全くそうではない。
ではそれらの曲がロックンロールではないのかというと、全くそうではない。

ロックンロールとは何か。

楽典的な規則を無視したロックンロールは、ただのロックと何が違うのか。

そこには生き様やファッションなども関わってくるかもしれない。
が、とりあえずは音楽的な部分にフォーカスしたい。

多岐多様なロックンロール・バンド

まずローリング・ストーンズの代表曲 ブラウン・シュガー


Rolling Stones - Brown Sugar - 1971 - Top of The ...

3コードロックンロールの派生型と言える。
ほとんど3コードで展開しているが、間奏で違う展開とフレーズを挟み込んでいる、シンプルなロックンロールの進化だ。

楽典的な話ではなくなるが、キース・リチャーズの刻むイントロのまさにストーンズというリフ。
これだけ印象的なのに、イントロにしか登場しないという潔さも、ロックンロール的アティチュードといえる。

 

次にラモーンズの代表曲 ブリッツクリーグ・バップ。


The Ramones - Blitzkrieg Bop (Live) - YouTube

これもほとんど3コードだが、オーソドックスなロックンロールとの大きな差異はスピードとリズムだ。

ダウンストロークで鳴らされるギターには黒人色がない。
ロックンロールがシャッフルなのは、ブルーズやソウルの影響下にあるからだが、ラモーンズはそれらの匂いをほとんど消し去っている。

ざっくり言うならラモーンズはパンクバンドなのだが、初期のパンクはロックンロールと大きな共通項を持っていた。
近年のパンクバンドは、結構ニュアンスが変わってきていて、メロコアと言う方が近い雰囲気になっているものが多い。

 

ビートルズ以来の衝撃と謳われていた、オアシスの代表曲 スーパーソニック


Oasis Supersonic (Live at Wembley 2000) - YouTube

オアシスはどれを挙げるか迷った。
だってロックンロールロックンロールとリアムはめちゃくちゃ口に出して言うんだけど、楽曲的には全然ロックンロールではないんだよね。

これもほとんどロックンロールの匂いはない。

オアシスはポップなナンバーやバラッドが多く、ゴリゴリのロック好きからは微妙になめられている感がある。
じゃあロックンロールバンドではないの?と言われると、そんなこともない気はする。

めちゃくちゃ抽象的になるが、ギャラガー兄弟は、キャラクターがロックンロールだから。
セックス、ドラッグ、バイオレンスを地でいく。彼らがめちゃくちゃしおらしい感じだったら、オアシスはロックンロールバンドとは呼ばれていないはずだ。

ここらへんがロックンロールのあやふやさ。

 現代的解釈

アークティック・モンキーズの どうしてハイなときだけ電話かけてくるのよ。


Arctic Monkeys - Why'd You Only Call Me When ...

イギリスのバンドらしいシニカルさ。
レジェンド枠を除いて、現在進行形のバンドの中で最も優れたロックンロールバンドだとぼくは思っている。

まず、ロックンロールはロックという白人の音楽と、先に書いたようにブルーズなどの黒人の音楽とが混ざり合って成立していたわけだが、アークティック・モンキーズは一度それを解体した

他のたくさんのバンドが黒人音楽をベースに持ちつつロックを進化させてきたのに対して、
アークティック・モンキーズは進化した黒人音楽のほうを取り入れたのだ。

この曲を貫いているビートはヒップホップ的解釈のそれだし、ファルセットで入るコーラスは現代的R&Bに近い。
今までヒップホップとロックの融合というのはミクスチャーというフィールドで展開されていたのだが、アークティック・モンキーズは自分たちのフィールドにそれを引き込んできた。

一聴してこれはロックンロールなのか、と判断は難しいのだが、
冷静に分析するとこれはロックンロールの最新アップデートとしか言いようがないと感じる(さらに言えばメンバーの男らしい風貌や、アレックス・ターナーのリーゼントも)。

定型を持った音楽を、こういった形で解体、再構築していくのは最高だ。
ぼくは、ロックンロールなんて進化しようのないものだと思ってたし。

またアークティック・モンキーズでドレイクのカバー。


Arctic Monkeys - Hold On, We're Going Home ...

R&Bのカバーがこうハマってしまうのは、やはり彼等が鳴らしているものが間違いなくロックンロールに他ならないからなのだ。

余談 

ザ・ストライプスはあんまり好きじゃない。
ボーカルがロールしてないから。

ロールって何なのって言われると、話はこのヴァースの頭に戻る。

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