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ノームコアについて

ぼくはあまり新語が好きではない。
新語、というか、それを意図的に流行させようとしている人の存在が見えるような言葉というか。

ホットケーキが急にどこもかしこもパンケーキと呼ばれだしたのにも気味悪さを感じるし、
テクノ、ハウス、さまざまな電子音楽がある中 ざっくりEDMという言葉にまとめようとするのも不自然さを感じる。

ノームコアという言葉

言葉自体はあんまり好きではないけど紐解いていく。
要するに「究極に普通」
言葉が出てきてしばらく経ったしそこそこ浸透しているものと思う。
ただ、浸透度が高まるにつれて、曲解されるようになっているのではないか?

ノームコア=シンプルファッション

この図式は必ずしも正しくない。
スティーブ・ジョブズ
スティーブ・ジョブズが黒のタートルネックニット、ブルージーンズ、ニューバランスのスニーカーをユニフォームにしていた。
これをよく、ノームコアと称される。

シンプルであることとノームコアであることの差異

少し抽象的な表現になるが、ロックとは何か、という疑問に近いニュアンスがある。
反体制であったり、歪んだギターであったり、ロングヘアーであったり。
さまざまな要素が集まってロックは形成されている。
だからと言って何かが欠けていればロックたりえないかというとそうではないし、充足しているからロックかというとそうでもない。
観念的で、精神的で、抽象的な要素が多分にある。
はっきりしない、しかし、ロックというものは確実に存在している。

ビートルズサイケデリックになろうとロックバンドで、Silent Sirenが革ジャンに身を包もうとロックバンドとして納得がいかない、みたいな。

ノームコアの構成要素は、この構造に近いと思う。
シンプルであることはノームコアの要素のひとつだが、シンプルであるからノームコアではない、ということにはならない。

シンプルファッションがトレンドであるから、とトレンドに染まる形でそれを真似ているのは、ぼくの意識の中ではノームコアではない。
ただここらへんが抽象的になってしまうところで、ジョブズの格好と全く同じ格好をしている誰かを見てそれがノームコアなのかトレンドに染まっているだけなのかは、なんとなくだ。

スティーブ・ジョブズの場合

ジョブズは、同じ黒のタートルネックISSEY MIYAKEに何百着と作ってもらった。
理由は「服を選ぶ時間を他のことに使いたいから」らしい。

クリエイターの鑑のような発言だが、服装に無頓着であった、と解釈はできない。
本当に無頓着ならば、どんな服がクロゼットにあろうと悩まず適当に着られるからだ。

ノームコアのひとつの側面として、「こだわって選んだ結果としてのシンプルファッションであり半ユニフォーム化されたもの」というのが言える。

だから、逆に流行のものと多少ずれていようと(ジョブズ自体ぱっと見でおしゃれな印象でもないし)、本人に明確な理由がありシンプルに昇華された服装はノームコアたりうる、と思う。



ここまで長々と書いてきたものの別にノームコアという言葉にそんなにこだわりはないので、ぶっちゃけ何でもいいんだけど。
どっちかというと、表面的にものごとを捉えてすくっていっているだけの人が多いよね、というニュアンスで書いた。

余談

近頃似たような感じで「サードウェーブ系」という辛酸なめ子命名のワードがある。
サードウェーブの語源やらはもう置いといて……
サードウェーブ系男子
カフェ巡りしてそうな感じ。丸めがねにニューバランスのスニーカー。文系の雰囲気。シティボーイとだいたい同じ。
テンプレ感ありで、多少ディス気味に使われる言葉。

てな感じで思っといてもらえたら大丈夫かと。

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