腕時計について

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腕時計にしっかりと興味が出てきたのはここ最近。
別に高級時計を持っているわけでもない。

それでも自分なりに、時計っていう世界は面白いなと思っているところ。
これはやっぱり野郎の趣味だ、とも感じる。

腕時計に対するスタンスは、その人のファッションと社会に対するスタンスと同義だ。
今回は、結構当たり前のことを書いている。

基礎的な話

基礎的な話ではあるが、ぼくの経験上女性の9割は知らない。
ぼくも時計なんか1000円でも100万円でも時間が分かるのは同じじゃん、とか思ってた。以前は。
こまけーことはどうでもいいわ、と。

腕時計には主にクォーツ式、機械式があるという点。

クォーツ式

クォーツ時計とは、水晶振動子を用いた時計である。
水晶は圧電体の一種であり、交流電圧をかけると一定の周期で規則的に振動する。クォーツ時計ではこれを応用し、通常は32,768Hz(=215Hz)で振動する水晶振動子を用いて、アナログ時計の場合には時針の速度を調節し、デジタル時計の場合はその信号を電気的に処理して時刻を表示する。

クォーツ時計 - Wikipedia

文字にすると分かりにくいが、かいつまんで言うと、主に電池を動力として動く高精度の時計
中には電子基盤が入っている。
クォーツ時計の基盤
つまりは、一般的な時計の大半がクォーツである。

機械式

クリーンでエコロジーな腕時計
機械式時計は電池交換が不要です。
電池が入手できない環境でも時計として機能します。また、使用済みの電池がゴミになるということもありません。また、ソーラー時計のように二次電池を一切使用していません。地球にやさしいエコロジーな腕時計です。

使いたい時にいつでも使える時計
機械式時計は人間の運動によって動きつづけます。
腕から長い間はずしておくと止まってしまいます。
いつも人間と行動をともにしているといえます。
部品を交換して、メンテナンスをすることで半永久的に使用できます。
また、長期間不使用後でも使用することができます。


機械式時計とは | オリエント時計公式オンラインショッピング

機械式時計は主には自動巻き時計を指している。手巻きのみの時計も、現代には少数だがあるにはあるが、基本は自動巻きがメインだ。

この自動巻きという存在を知ったときは結構衝撃だった。
腕につけていれば、日常の動きの中でゼンマイが巻かれ、駆動し続けるのだ。時計を知っている人には当然なのだが、すごくないか普通に?
電池等の外部の動力を必要としないのである。
タグホイヤーのムーブメント
こういった歯車の集まりが時計の中で動いて時を刻んでいる。
クォーツ時計は月に数秒ズレが生じるのに対し、機械式は構造上気温などの影響もモロに受け、1日に最大2、30秒程ズレる。
それが正常な状態なのである。それでいて、クォーツより一般的に高価である。

クォーツ式と機械式の一長一短

クォーツ+電波ソーラー、みたいな時計は、ある意味でもう時計の究極形態である。
正確かつ半永久的に動く。
もう、それ以上何を求めるのか? というわけだ。
G-SHOCKのマルチバンド6なんか、海外に行っても時刻を合わせてくれるし、ストップウォッチはあるし、時計の機能としてもうマックス振り切れてる。

クォーツ式時計というのは家電製品みたいなもので、いずれ壊れたときは買い換えが前提になっている。

対して機械式時計。


先に書いたように精度という面ではクォーツに勝てない。それが100万円クラスの高級時計であっても、チープカシオ以下の精度なのだ(ただし、チープカシオクラスのクォーツは個体差があるので酷い場合もある)。

ただしメリットもあり、まず長く使えるということ。
クォーツの故障は基盤自体が駄目になるパターンが大半であるのに対し、機械式は歯車単位の故障。
壊れた際は、その部分を交換してやればいいのだ(ただしこの部品のストックはメーカーによってまちまちで、一般には高級時計と呼ばれるメーカーほど昔の時計でも部品をいつまでも保持していてくれる)。

また急に電池が切れる心配がない、などもメリットとして挙げられるが、やはりそこはソーラーを搭載したクォーツがいるのでややかすむ。

機械式ならでは魅力

クォーツより利便性の劣る機械式時計の魅力とは何か。

オープンハートというモデルがある。

その名のとおり、心臓をオープンにしているわけで、内部の機構が表から見える時計を指す言葉だ。

電池の力を用いず、ゼンマイの力だけで時を刻み続ける。
ぼくはこれについて、ミニ四駆に熱を上げた感覚に似ているな、と思う。おもちゃを愛でる感覚だな、と。

はっきり言って実用性だけ考えればクォーツ式のほうがどう考えても時計として優れているのだ。
時計に遊び心というか、そういう面白みを足したのが機械式である。

そして運針。
上の動画を見てもらうと分かるが、クォーツ式の多くは1秒に秒針が1回クリックするのに対し、機械式は構造上6、8、10回などに分け細かくクリックする。
時計を見て、これクォーツかな機械式かなと思った際に一番分かりやすいアイコンとも言える。
これに慣れるとクォーツの秒針は結構味気なく感じる。

腕時計の役割

オーディマピゲとスーツ
繰り返しになるが、時間など携帯でわかる。
腕時計が必ずしも必要、という場面はそんなにない。あれば便利という程度。

ただ、必要なものだけ身につけていればいいのかといえばまた別で、たとえばスーツを着る際ネクタイを締めるのと同じである。
ネクタイに機能的な必要性はないかもしれないが、形式的に必要ではある。
腕時計もそれと同じ。

こういうとなんだか虚しいような気もするが、高級腕時計の主な役割はステータス性のアピールに他ならない。
そして少なくとも、スーツを着て仕事をする場面で腕時計が他人の目線を集めるツールになるのも間違いない。
当然スーツでなくても、ではあるが。

ハゲていてもふさふさでも人間性に差はないが、印象は変わってしまうのである。

そんな印象が命運を分ける場面が、人によってあったりなかったり。ぼくの人生には、ないのかもしれない。

余談

時計屋の店員さんが言うには、「時計に興味を持つ人は、他趣味であることが多い」とのこと。
ぼくは「何故ですか」と訊く前に、既になぜか納得していた。なので理由は訊いていない。

やはり機械式時計というのはぼくにとっておもちゃ、ギミック的な面白さがあるもので、それに実用性とファッション性を兼ねたものだ。

逆に言えばギミックにもファッションにも興味のない人からすれば、時計なんて馬鹿馬鹿しいのだろう。
それはそれでいいと思う。
だって安くて間違いないタイメックスとかカシオとか、選択肢はいくらでもあるのだから。

「何十万、何百万円もする時計が高級時計という世間の認識がありますが、1万円でも大きな買い物です。時計にランク付けなどはなく、あるとすればそれぞれの愛着が決めることです」
同じ店員さんはこうも言っていた。

まとめ

ゼンマイによる時計の機構というのは何百年も昔からあるそうだ(もちろん精度は今と比較にならないくらい悪かった)。
そんな大昔からの技術とか知恵の結晶というのはやっぱりロマンを感じる。
それが機械式時計。

正確さ、頑丈さ、気安さ。たとえばフェスに行くならG-SHOCK最強。クォーツ式最強。

その選択に何かしらの理由が見つかれば、それが愛着と呼ばれるものである。