adidas STAN SMITHについて

adidas stan smith

見かけない日はないだろうスニーカー、スタンスミス。

世界で最も売れたスニーカーとしてギネス認定されているのは伊達じゃないし、アディダスブランディングもかなり巧みだった。
現在進行形で人気だ。

ブームが落ち着いた(とぼくが判断した)ので、10年ぶりに買った。

STAN SMITHとは

スタンスミスは1971年に登場したが、さかのぼること7年、1964年こそがスタンスミスの原点だ。
実は元々フランス人のロバート・ハイレット(Robert Haillet)のシグネチャーモデルとして発売されているのがスタンスミスの原型なのだ。
「ハイレット」は1963年に行われたテニスの全仏大会におけるハイレット氏の活躍記念として、彼の名を冠してリリースされた。
そのスニーカーをスタンレー・ロジャー・スミス氏が愛用し、活躍したことからアディダスがスニーカー名を現在の「スタンスミス」に改名し、彼のイラストとサインを入れて発売した。


スタンスミス徹底解剖「定番スニーカーたる理由や歴史に迫る!」 | 男前研究所

スタンスミスといえば、ぼくの学生時代は「どこでも安く売っているスニーカー」のひとつだった。
ホームセンターでワゴンに入っているような。

そういう状況からアディダスはそのネームバリューを再構築するために、スタンスミスを生産終了する。
細かな背景は分からないが、たぶん、しばらく焦らしてやろう、みたいな感じだったのだと思う。

ぼくの周りにもスタンスミス好きはいたし、ぼくも1足持っていた。
生産終了前にガラスレザーのモデルが出たりして、買いだめするような人も多くいた。

そして2014年、およそ2年ほどのブランクの後、スタンスミスが再販される。
昔履いていた人には懐かしく、初めて知る人には新鮮。
そこからの人気は誰もが知るとおり。

ぼくの買ったSTAN SMITH

adidas stan smith

購入に至るまでのやや長い前置きのようなもの

シーズンによって細かい仕様の違いがあったりでスタンスミスはぱっと見同じようでもかなりの種類があるが、大きく分けて2種類。
ABC-MART限定流通のモデル
アディダスオリジナルスのメイン路線の高級モデル

である。

厳密に言うと前者はABC-MART限定というわけではなく、国内に正規ルートで輸入されてくる際の代理店はABC-MARTというだけ。
なので並行輸入であつかっているお店も普通にある(ドンキに置いてあるブランド品みたいなもの)。
昔ワゴンに入っていたのはこちらに近いモデルだ。

それに対し、アディダスが大きく打ち出しているのが、やや値段の高いヴィンテージ感の強いモデル。
これがフラッグシップモデル、ABC-MARTの方がエントリーモデル、という区分で差し支えないと思う。

これについては、この辺を参照していただきたい。

adidas stan smith
いや、正直、文章でうだうだ説明しなくても写真を見ただけでも全然違うのが分かる。この写真はABC-MARTのほう。
革の質感、ソールの雰囲気、タンの厚み。この辺が主な違い。
印象としてはとにかく白い。

ぼくが昔に履いていたのは、ABC-MARTのものと近い感じだったと思う。
だってそもそも、15000円もするスニーカーじゃなかったんだから。

しかし。フラッグシップモデルのほうを見たら、ABCバージョンを買う気にはなれなかった。

これはどちらがいいとか悪いとかの問題ではない。
気軽に買って気軽に履けるのはABC-MARTモデルのほうだし、質感に品のあるのはフラッグシップモデルのほう。

ABC-MARTの方は比較してしまうとやはりチープで本革なのに合皮のように見える。
これもフラッグシップモデルがあるからこそこう感じるわけで、2種類なければ特に思うこともなかったのだろう。

ディテール

adidas stan smith

革質

ABC-MARTのものとどちらにするか考えたときに、一番大きいのがここ。
adidas stan smithの革質
シボ感のあるレザーが使われている。

レザースニーカーの革質は、長く履いた時に小汚いスニーカーになるのか味のあるスニーカーになるのかの分水嶺と言っていいだろう。
これは期待できる質感。

adidas stan smithのヌバック
これはシーズナルカラーで、ヴェイパースチールという。
灰色に近い。かなり彩度の低いくすんだ緑色

ヒール部分はヌバックのような革が使われている。

この微妙な差異が好きだ。
スタンスミスの定番カラーといえば緑か紺で、それは間違いない選択肢なんだけれど、ちょっと人とは違ったチョイスがしたくなる。

余談。
以前スニーカーエントリのまとめを書いた際に「チョイスに偏りがある」との声をいただいた。

何を選んでいたら偏っていないのかは難しいが、確かにわからなくはない。
めちゃくちゃ定番のものも、めちゃめちゃ最先端のものも、どっちも避けている節があるのかもしれない。

なんにせよ、ヌバックでくすんだ淡いカラー
これをショップ別注とかで出してたら値段が1割2割上乗せされるわけだが、インラインでこういう丁度いい外し方をしてくれるのはありがたい。

白いレザーは、完全な白ではなく、ちょっとグレーがかっている。
ABC-MARTのほうがはっきりした白だ。

ソール

はじめからヴィンテージっぽく日焼けしたような色み
adidas stan smithのソール
これは正直、好みの分かれるところだと思う。
色落ち加工ジーンズがありかなしかみたいな。

新品状態だとちょっと浮いてる感じはあるけれど、ABC-MARTとは違うぜ的アイコンとも言える。

特にぼくは思うところはない。

タン

アクセントカラーに合わせてここもひっそりと。淡い色。
adidas stan smith
紐を解くのが面倒くさかった。

細かい話

adidas stan smith
スーパースターやキャンパスは、現在80sというその名のとおり80年代の復刻を意識したリイシューモデルが看板になっている。

が、スタンスミスは80sにあたるモデルは今ない(以前はあった)。
80sはフェンダーで言うところのアメリカンヴィンテージシリーズ、このスタンスミスはアメリカンスタンダードか。

スタンスミス80sはこの金のロゴはなかった。
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こういった細かい差異でヴィンテージを意識しつつもどの時代のスタンスミスではない、今のスタンスミスを作ろう。
というのがアディダスの思惑だろうと思う。

まとめ

歩いた感じとかは、別によくない。
履き心地はABC-MARTのものでもこれでも大して変わらないと思うし、昔からほぼ進化していない(履き心地が悪いということではなく、同じ価格帯でもっと疲れないスニーカーはたくさんあるよ、程度のこと)。

足入れ部分が革張りなので、紐をキツ目に締めても靴の中で滑る感じがあるし。

でもやっぱいいねスタンスミス。結局「なんとなくいい」にたどり着く。
防水スプレーかけて大事に、でも適当に履けたらいいかな。