これはとても分かりやすいけれど、なかなか気付きにくい、絶妙なアドバイスだと思う。
ダサいか否かを大きく左右するのがサイズバランスである。
高級なものでなくても、それがまともであればダサくはならないし、逆もまたしかりだ。
前書き
サイズバランスの黄金律というのは時代によって変わっていく。
ドレスに寄るほど時代や流行の影響を受けづらくはなるが、やはりバブルの頃のスーツは今見るとオーバーサイズに感じる。
再三ここで言っていることだけれど、改めて言語化すると、流行だけを追うのも、流行に一切無頓着なのも、同義でありダサい。
ダサいのは、悪だ。
自分のバックボーンと時代感覚の間を華麗なステップでダンスするのが、格好いい大人、ぼくはそう思っている。
サイズに迷った際の指針
世の中の大抵の服は、ぼくたちの体に合わせて作られてはいない。
だから、MサイズとLサイズどちらにするか決めかねる、みたいなことがままある。
これは2017年7月9日時点(言うまでもなく、後から見返した際、その時の感覚と大幅にズレている可能性がある)の、ぼくがサイズに関して「ダサいものを排除する」ために考えていることだ。
ぼくの好きなサイズバランス
トップス編
Tシャツ
Tシャツは基本的に大きめを選ぶ。
楽な方にシフトし始めたのがここ1年くらいだから、以前に買ったものは少し小さく思ったりもする。
10年前はどこもかしこもタイトなスタイリングを推奨していたものだが、今は肩がドロップするようなサイズでも特に違和感がない。
ぼくはシンプルなアイテム、ガジェットが好きで、ともすると「いい子ちゃん」になりすぎてしまいそうなところなのだが、色々な箇所で着崩してバランスを保つ。ってのが好きだ。
ライブ会場で販売されるTシャツなんかは試着ができず、せいぜい丈を確認する程度。
こういうとき、昔ならば小さめサイズを選んでいたけれど、今は迷ったら大きい方だ。
バンドTシャツをルーズに着るのは、あんまり好きじゃないけどね。
羽織もの
羽織るものは、Tシャツに対してやや小さめというか、短めが好きだ。
この辺は自転車やスケートボードに起因している。裾が風でばたつくのが嫌なのだ。
重要なのは、プルオーバーの服は別だということ。
パーカならジップの話で、プルオーバーパーカとは求めるサイズが違う。
カーディガンやプルオーバーのパーカというのは、オーバーサイズだとだらしなく感じる。
このだらしなさというのは「ダサい」に直結する。
「だらしなく着る」のと、「着崩す」は、ベン図で共有する領域もあるだろうが、基本的には似て非なるものだろう。
というわけで、ゆるめのTシャツより短めに収まるくらいの丈感の羽織ものが好きだ。
ジャケット類は除く。
ジャケット類は丈も多様だし、肩で合わせて、それを中心に他のバランスを考える。
ボトムス編
ジーンズ
ジーンズのサイズ感(ボトムス全般とも言える)は、トレンド的にはまずジャストから踝丈くらいの短めのレングスが人気だ。
これによって誰しも同じようなバランスで下半身を構成することになるわけで、そういうマジョリティに懐疑的なぼくはとりあえず中指を立てたわけだけれど、しかし実際このレングスというのは非常に便利だ。
季節によっては暑苦しく見えがちのジーンズに軽さをもたらす。
というのがまずある。
しかし一番大きなメリットは、組み合わせが楽だということだ。
これについてはジョガーパンツのところで書こうと思う。
とりあえず、スキニー寄りの細いものはレングス長め(エディのディオールオムの栄光を知っている人は、きっとまだあの時のままだ)、テーパード系のものはレングス短め。
太いジーンズは好きじゃない。
ジョガーパンツ
さて9分程度の短め丈についてだが、ジョガーパンツはレングスを視覚的に短めにするアイテムだ。
ぼくは靴を選ばないボトムスとしてスキニーをベストに挙げていて、要するにローテクハイテクスニーカーはいOK、ブーツ短靴はいOKってことなんだけれど、それに匹敵するくらいの力が9分丈にはある。
パンツ自体のシルエットはあまり問わず、短めにするだけでどんな靴を履こうとそれなりにまとまるのだ。ジョガーじゃなくてもね。
これに関して、楽をするとファッションがつまらなくなる、という意見もきっとあると思う。
まあ、ぼくは、難解な服よりは楽なほうがいい。けど、そのつまらなさも理解は出来る(これについては次の項目で)。
ジョガーパンツは素材感から革靴なんかには相性が悪いが、そのぶんスニーカーとの相性に超特化している。
そもそも、ぼくはほとんどブーツ短靴履かないから、ジョガーパンツはめちゃくちゃ有用なのだ。
ただし、視覚的に短め丈にする万能パンツとはいえ、基本的にはスウェットパンツなので、サイズがだぶだぶだとだらしなくなる。
少なくとも膝下は思い切り絞ったサイズ感がいい(ユニクロのジョガーパンツは、これがちょっと弱い)。
やや番外編
先日購入したベドウィン×ディッキーズのクロップドパンツ、ジェシー。
これも万能で重宝しているけれど、いわゆる踝丈より幾分短いから、若干合わせに気を遣う。
だって、踝丈はもう無意識で服を選んでも問題ないレベルのユーティリティプレイヤーだから。
その若干の気を遣うという点が新鮮というか、ファッションに気を配らなくなることへの抑止になっている……気がする。
まあ、ファッションから意識が逸れることは少なくとも向こう5年くらいはないとは思うけれど。
まとめ
夏ならばゆるめのTシャツにタイトなジーンズないしは短め丈のテーパードパンツ、これで充分。
でもファッションを楽しむ余力が、時々イレギュラーな選択をさせる。
ベドウィン×ディッキーズにバンズ エラ、自分の中で鉄板になりつつある。