いつの間にか長く着ていたユニクロの服について

昔のユニクロ

新しい服をおろすときはわくわくしているし、大事に感じる。

しかし、だんだん扱いは雑になっていく。
当時の情熱は維持できず、それは悲しくも合理的な意識の変化だ。

その変遷の途中、明らかにぼろすぎたり好みじゃなくなったりした服を廃棄する。

大事にしてなくても長生きする服

扱いが雑になると、保管もおざなりだ。
以前スウェット類はどれくらいの頻度で洗うのか人の意識調査をしたことがあるのだが、「1回着たら洗う」というのが一番多くて驚いた。
肌着から遠くなるごとにぼくの洗濯意識は薄くなる(ジーンズ等はまた別として)。

Tシャツなら1度着たら洗うし、その上に着るスウェットやパーカは3,4回着てから洗うし、ジャケットなどアウターの類はシーズンオフのタイミングだけだ。

ぼくがものぐさなのか、世間がまめなのかはわからないが、とにかく何でもかんでも毎回洗うわけではないということ。

これの弊害として、3,4回着てそのまま洗うタイミングを経ないままいつの間にか衣替えになり、翌シーズンお気に入りの服のルーティンいわゆるワードローブからも外れ、しばらくぶりに引っ張り出してみたところ袖のリブなんかが汚れたまま放置されたため変な色になっていたりする。大体こういうことが起きるのは、そこまで明確な意思を持って買ったわけではない服、要するにユニクロ等に多い。

ユニクロでも気に入っている服というのはあるが、結局ライザップと同じで、ある程度財布に負担をかけないと愛着も追随しないのだろう。
3000円の服と30000円の服、同様に気に入っているつもりでも無意識化で前者は軽んじている。

が、そんなサイクルでも経年劣化に耐え、なおかつ趣味嗜好の変化から手放されることもなく、なんとなく生き残り続けている安い服もある。

そんなユニクロ服を何点か紹介したい。

UNIQLO AND LEMAIREのショールカラーカーディガン

ユニクロアンドルメールのショールカラーカーディガン

ユニクロアンドルメールのタグ
ユニクロUというラインが発足する前のもの。
ユニクロの商品は全体的に肩幅や着丈は日本人に合わせてコンパクトだが身幅は誰でも着られるようにゆるい、というイメージを持っていた(ここ数年でユニクロのシルエットは大きく変わったと思うし、ぼくのイメージもそれに伴い変わったが、また別のお話)。この時のユニクロアンドルメールの商品はちょっと特殊でむしろ逆三角形的というか、肩や胸あたりのシルエットはゆとりを持っているが身幅は絞り気味、そんな人を選びそうなものが多かった記憶がある。
ユニクロUはリラックスフィットなものが多いから、色や雰囲気は似ていてもかなりコンセプトは変わったといえる。

そんな感じで、冬場になるとユニクロアンドルメールのニットをよく着ている。
めっちゃ毛玉できるけどもうあきらめてる。

ユニクロアンドルメールのカーディガン着用イメージ

ニットのサムホール
冷え性のぼくにはこの構造がありがたい。
時計の付け方が唯一悩ましい。

これは3年?4年?くらい前の服

アーバンスウェットのプルオーバーパーカ

ユニクロのアーバンスウェット
ヘルムートラングがデザインに関わったスウェットのみのコレクション『アーバンスウェット』のもの。
ユニクロUとか+Jとは違ってデザイナーがラングなのではなく、UTにおけるNIGOのような、ディレクター的位置だったと記憶している。

特徴的なのは綺麗な霜降り、杢グレーの色味。
そしてカンガルーポケットではなく、呼び方不明のこのポッケ。
ユニクロのアーバンスウェットのパーカ


さらに、フードを二つに分割できる(分割するメリットは別にないのだけれど)ジッパー構造。
アーバンスウェットのフード
ただ、これは、髪が長い時に挟んで抜けたり(電車の席の後ろにある広告でも似たような現象が起きる。長髪の経験者は分かる)冬場ジッパーが肌に当たって寒かったり曲者である。

これは4年か5年くらい前の服

何とも言えないナイロンパーカ

ユニクロのナイロンパーカ
元々はフード部に取り外しできるファーがあったのだが、どこかになくしてしまったのでただただナイロンのジャケットになった。
オリーブカーキの色とファーの組み合わせでなんとなくモッズコートのようなニュアンスもあったのに、今は何もかもが中途半端である。
本当にデザイン的には何とも言えない一品。

古いユニクロのジャケット
ファーの名残でフードに見られるもはや何の意味もないスナップボタンが哀愁漂う。
ボリュームがあるわけでもなくタイトなわけでもなく、その辺のおじさんがホームセンターで買ってきそうな感じ。

ただいいところもある。
ユニクロのナイロンパーカの生地
生地がやけに高密度である。ヘヴィデューティ。
アウトドアブランドの~2万円くらいのジャケットと同じくらいしっかりしてると思う。

そして、軽い。
真冬にはちょっと薄いが、中綿が入っているしフード裏がフリースなので結構暖かく感じる。
スケートプッシュしてちょっとコンビニへ、なんて時に重宝している。

これは15年くらい前、なんと中学生の頃から所有している。
お気に入りでも何でもないのに、「もう着ないな」というところまでも振り切らない、中途半端さが長寿の秘訣である。

ちなみにこの頃はタグが〇の中にサイズ表記のみだった。
古いユニクロのタグ
でも、ここは汚くなっていたので切ってしまった。

これを読んで「そういえば古いユニクロの服あったなあ」と記録した次第である。

まとめ

よく『男の一生もの』みたいな文句があるが、アラサーになってもそんなものは果たしてあるのかはなはだ疑問である。
あらゆる服、ガジェットは消耗品だからな。

ただ意図せずして長生きするこんな服たちもある。

多分さ、今だとコスパに優れたものってどんどんネットでシェアされちゃうんだけどさ。
ネットもそんなに普及してなかった頃のユニクロの服で、実はなかなかやるじゃん、みたいなものって結構あると思うんだよな。
でも手元にあるのはこれくらいだったから、リサイクルショップでユニクロを探したりするのも楽しいかもしれない。

なんてことを考えて少しテンションが上がった。