A.P.C.では、穿き古したA.P.C.のジーンズを店頭に持ち込むと、それを引き取られる代わりに新しいジーンズを半額で購入できるバトラープログラムなるシステムがある。
回収されたジーンズはリペア等適切な処置を施され、3万円で(!?)再販される。
※butlerとは執事の意で、貴族のお下がりを執事が着用していたことに由来するそうだ。
長年穿き込んだジーンズには愛着があってなかなか手放す人も少ないかもしれない。
が、飽きてしまったりサイズが合わなくなったりなどでタンスの肥やしになるより7倍(当社比)いい。
ぼくも一度このシステムを利用してジーンズを購入したので、概要を記してゆく。
まず
どこまで色落ちしてから対象になるのか?
バトラーの引き取り対象は、全然色落ちしていないものでは駄目。
ある程度穿きこまれた状態になっていることが前提だ。
A.P.C.のローデニム全てがバトラーに適しているわけではありません。
色落ち具合や状態によって、回収をお断りすることがございます。
ユニークな味を出すためには、ある程度の摩耗が必要で、次のような特定の洗濯表示に従って洗われていなければなりません:ドライクリーニング、手洗い、洗濯機で濃色製品用洗剤を使ってデリケート洗い。
初めて洗濯する場合は、できるだけ汚くなるまで穿いてから行うようお勧めいたします。
(A.P.C.オンラインストアより引用)
なにがなんだか。
わかるような、わからないような。
A.P.C.はちょいちょいふざけているのかマジなのかわからないノリをぶつけてきやがる(デニムの洗い方その5:デニムは絶対に洗わない。とか)。
バトラーに適したジーンズがどんなものか、画像があるのでそれがわかりやすいかな。
要するに適度にメリハリがあり、客観的にみて格好いいと思えるようなジーンズならば問題ないようだ。
濃すぎるのも、インディゴが薄まりすぎているのも駄目。
ちなみにぼくが持ち込んだジーンズはこれ(プチスタンダード)。
プチスタンダードを持ち込んでプチニュースタンダードを購入したので、必ずしも同じモデル同士の交換という形にならなくても大丈夫。
対象のモデルは?
A.P.C.で展開されているジーンズは基本的には定番品でシーズンごとに入れ替わるものではないが、既に廃盤になっているものもいくつかある。
公式ページによると
・ニュースタンダード
・プチスタンダード
・プチニュースタンダード
・メンズニューキュア
現在はこれらが対象のようだ。
ただ、ネットの情報だと廃盤になっているモデルでも店舗によっては引き取ってくれるらしい。
結局確認しているのは人間なので、廃盤であっても売り物として成立するジーンズだと判断されればよいのだろう。
心配ならば事前に電話で確認するのが吉。
細かい注意点
ここに書くのは噂レベルのこと。もしかすると~って感じでよろしくです。
・あまり大幅に裾上げしているものはNG
・大きな穴が開いているとNG
・小さな穴でも自分でリペアするのはNG
最後のはツイッターでフォロワーさんからの情報なんだけど、ぼくはふつうに数箇所自分でリペアしており、それを隠しもせず「自分でリペアしているけど大丈夫ですか」と確認したうえで引き取ってもらったので、結局これも見る人しだいなのか。
終わりに
持って行った当日は、びっくりするくらいあっさりした感じで審査は終わった。
「自分でリペアしてるんですけど」
「あーほんとですね。でもちゃんと縫ってあるので問題ありませんよ」
「……?」
「……?」
「……えっと、終わりですか。オッケーってことですかね」
「はい。スレーキにお客様のイニシャルを書いてください」
「(かきかき…)じゃ、プチニュースタンダード試着したいんすけど」
……
こんなもんである。ほんと、1、2分くらいかな。
結局店舗や店員さんによって引き取りの可否はムラがありそうなので、A店で駄目でもB店ではOKなんてことはざらにありそう。
タンスの肥やしになってるA.P.C.のジーンズがあれば皆様どうぞご検討ください。
古着屋とかでいい具合の色落ちのA.P.C.のジーンズを安く購入し、それをバトラーに持っていけば安く新品が買える……なんてことを考えたりもしたけど、引き取り不成立のリスクがでかいね。
気前のいい人は試しにやってみて下せえ。