LEVI'S VINTAGE CLOTHING 1965 606 Super Slims 購入

LVC 1965 606

珍しく衝動買いに近い買物。

606はオリジナルを穿いたことがないどころか、リーバイスのものを穿いたことすらない。
基本的にはレギュラーでは展開されていないし、古着でも弾数はかなり少なくなっている。
ドゥニームのレプリカを試着したことがある程度だったが、501、517、646のように代表的な品番としてのイメージは強烈にあった。

Levi’s 606について

以前podcastで「モッズの語源はmodernなのだから、いつまでも懐古的でいるのはただのコスプレ」みたいなことを言ったし、今もそう思う。
それを受けてなお、服と音楽の関連性について書くのは気恥ずかしいけれど、606はその文脈で語られることの多いアイテムだ。
シド・ヴィシャスラモーンズが愛用していたとか(諸説あり、というところまで含めてワンセット)、スキンズやテッズが愛用していたとか。

GibsonレスポールJrがスチューデントモデルとして簡素な作りでデビューし、そのシンプルさゆえパンクやロックンロールのギタリストから愛されているのと、完全に相似(もっと言うと、廉価版として作られたのに今やカスタムショップが復刻し高額になっているのと、LVCが復刻し高額になっている点も含めて)。

606は、作業着として作られていたリーバイスジーンズの流れからはみ出し、若者のファッションアイテムとして出来たものである。
なのでヘビーデューティーである必要性がなく、バータック仕様(リベットではなくステッチによる閂止め)、赤耳なしなどのディテールを持つスーパースリムジーンズとして60年代後半に完成した。
リーバイスのサイトによれば1969年に606品番がリリースされたことになっているが、このジーンズは1965年モデルの606となっている。どういうことかというと(ここから推測も含む)、60年代中期から606のプロトタイプは作られ続けていて、正式に品番が決まる前にマイナーチェンジを繰り返していたのだろうと思う。

なので、リーバイスサイト上の商品名で606を謳っているが、ジーンズ自体にはどこにも606の表記はなく、フラッシャーも「SUPER SLIMS」となっている。
わかりにくいので今後このジーンズについては1965-606と呼ぶことにする。

1965-606について

LVC 1965 606

LEVIS VINTAGE CLOTHING 1965 606

リーバイスヴィンテージクロージング606 Super Slims
1965-606はかなり特徴的で、リーバイスであることの主張が少ない。
パッチなし、アーキュエイトステッチなし、耳なし、黒タブ。かなり異端。

サイズは28/34。
27/32がベストだが、28インチからしか展開がなくレングス32も在庫がなかったため、後々裾上げを予定。

フロント

LVC 1965 606のボタン

リーバイスヴィンテージクロージング606のジッパー

LEVIS VINTAGE CLOTHING 1965 606のコインポケット

LVC 1965 606の生地
生地については詳細がよくわからないしオンスも公式に書かれていないが、13〜13.5オンスくらいかなと思う。オーガニックコットンらしい。
生産はブルガリアブルガリア!?
プリシュリンクらしいので、洗っても大きくは変わらない見込み。

青みが初めから出ていて、遠目で見て黒ではなく紺に感じられるトーン。コンセプト通り作業着感の薄い、つるっとした生地感だ。
ジッパーはタロンの42。

コインポケットがずいぶん内側についている。

バック

LVC 1965 606のバックポケット

リーバイス606のフラッシャー

1965年モデルの606の黒タブ
真四角に近い形のポケットにビッグEの黒タブ。パッチなし。
この主張の少なさがパンクスに愛されたひとつの要因かもと思う(パンクスはA.P.C.ジーンズが好き、みたいな話を聞いたことがある。理由はブランドの主張が少ないから。ブランドの広告塔になりたくないから)。
特に、LEVI'Sと表記しなくても赤タブ自体がリーバイスの象徴だという理由で、現在レギュラー品には1割程度®マークだけのものを混ぜているくらいなのに、こいつは黒タブ。
文字こそオレンジだが、一般的には遠目で見てリーバイスだとわかる代物ではない(なかった)のでは。

それらが逆に今となってはアイコニックであり、わざわざ復刻されているのが面白い。

その他

LEVI'S VINTAGE CLOTHING 1965 606のバータック

リーバイス606ベルトループの補強

LVCの1965年モデル606

すべてバータック仕様、ベルトループだけ補強なのだろう充て布を噛ませてある。
赤耳なし。アウトシームも巻き縫い。
リーバイスはスレーキの裏にレギュラーでもLVCでもがちゃがちゃ色々と記載しているイメージだったが、何も書いていない。
本当にシンプル中のシンプル

蛇足

リーバイス511と606の比較
MADE IN THE USAシリーズの511と1965-606を蛇足としてシルエット比較してみる。
511が27インチ、1965-606が28インチなので参考程度。

まず大きく違うのが股上の深さ。
511は割とローライズ気味なのに対し、606はがっつりハイライズ。加えてわたりは割と大きめで太ももにはかなり余裕がある。
当時はこれをSuper Slimsと位置付けていたんだな。
今でいうスリムとはまた違う。

ただし、裾幅に至っては606のほうが1㎝程狭く、かなり急激なテーパードになっている。
足のでかいぼくは、脱ぎ穿きでここが引っかかってしんどい。

606はバック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティみたいなイメージ(あれはゲスのジーンズらしい)だと思っている。

まとめ

511の色落ちもそこまで進んでいないし、ボロボロになったわけでもないため、おそらく今後並行して穿いていく。
まずは1965-606を裾上げするところから。
オリジナルのレングスで穿いていくのも捨てがたいんだけど、606のイメージとして裾をくしゃくしゃためて穿くのはちょっと違うなという気がする。

あと裾上げしたら若干裾幅が広くなるため、着脱が多少楽になるだろうという目論見もある。

なんにせよおろすのが楽しみ。

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