ジーンズという最悪について
停滞っていうか、大きな波はないっていうか。
小さな揺れ動きはあっても、根本からの変革はないっていうか。
小さな波が誰かを打つ頃に、新しい波へパドリングし始める奴もいる。
バックボーンと流行
アスレジャーなる言葉がある。
要はスポーツテイストを普段着にミックスしようっていうファッションで、方向としてはミニマル。
ジムの行き帰りのような格好が市民権を得たって感じかな。
言葉が先か、ファンクションが先か。
スポーツと無縁の人間もスポーツテイストを混ぜ始めるわけで、まあ、一時期の大学生マウンテンパーカ着すぎ問題みたいなところがある。
なぜ登るのか? そこに山があるからさ。
なぜ着るのか? そこにキャンパスがあるからさ。
そんなことはどうでもいいが、実際自転車乗りやスケーターにとって、自身を拘束するような服よりどう考えてもスポーツのための服の方が優れている。
それが街着として認められるのはもうめちゃくちゃ楽なのだ。いろんな意味で。
楽な格好
ファレル・ウィリアムスか、サチモスか、もっと遡ればジェイ・ケイか?
ジャージをクールに着るという文脈。
元々はどちらかと言えばヒップホップ寄りの流れだが、アスレジャーという雰囲気のおかげで、音楽もスポーツも何もバックボーンがなくてもそんな格好が世に蔓延する。
「俺はそんな連中とは一味違う」
とか、別に思わない。
ただ、繰り返すが、ジャージで出歩いてもそれがファッションだと思われるのは楽だ。ありがたい。
疲れないし動きやすいからな。
ダッドシューズが流行って、服に興味を失ったおっさん達も「あえてのチョイス」なんて顔をするんだろうか?
ジーンズ先輩の場合
対してジーンズ。
ジャージ先輩は偉ぶらないが、ジーンズ先輩はかなりの確率で偉ぶる老害である。
「お前の洗い方は邪道」
「というか洗うとか邪道」
「というか501以外全部邪道」
ってな具合である。バックボーンがやかましい。
「アディダスのジャージ以外邪道」
とか言うジャージ先輩はいない。
いや、いるかもしれないが、そいつは多分ジャージ先輩ではなくただのRUN DMCオタクである。
ジーンズ先輩は頭が固い。
別にもっと自由でいいのに、選択肢を少なくして、それが正しいことかのように吹聴する。
ジーンズは洗うな。
洗うとしても1年後。
セルビッジじゃないものはゴミ。
ストレッチ入りはゴミ。
などなど。
最終的には、各々が満足するジーンズの道が正解なわけ。
目指している色落ちも違うし、これ以外は全部間違っている、なんて面白くない。
勝手にしてくれ。
ジーンズ道とは
最悪の茨道である。
ジーンズ先輩どもの横槍に惑わされ、不潔な洗わない状態をもてはやし、あげく破けても味だとか言って買い替えない。
ファッションの対極にあると言ってさしつかえない。
最悪だ。2度目。
そんな最悪を選択する奴、嫌いじゃない。
まとめ
この頃はジャージパンツで出歩くことが多い。
501CTをまだリペアしていないから。
楽だから。
すぐ乾くから。
でもやっぱジーンズ穿きたくなるな。うん。