GOOD ROCK SPEEDのTシャツと古着ブームについて

GOOD ROCK SPEEDのNIRVANA Tシャツ

木更津キャッツアイでぶっさんが「セックス・ピストルズってアルバム1枚だけ出して解散したからもう誰も越えられない」みたいなこと言ってるんだけど、ニルヴァーナもそれに近い感じというか。カートが死んでしまってもう誰も越えられないんだよ。

でも、それを超えていこうとするデイヴ・グロールっていう熱い男がいて、そういうストーリーのすべてが胸を熱くさせる。
夏はロックだろって話。

GOOD ROCK SPEEDについて

GOOD ROCK SPEED(グッドロックスピード)は、アメカジやヴィンテージ、ポップカルチャーを愛し、
独自の視点で「イマ」を表現するNEW VINTAGE(ニュービンテージ)なカットソーブランドです。


2010年に誕生して以降、グラフィック、ロック・バンド、映画、キャラクターなど、
世界中で長きに渡って愛され続けているポップアイコンと真摯に向き合ったコラボレーションを積極的に行い、
ヴィンテージな風合いを感じられる「イマ」を表現する”ものづくり”に取り組みつづけています。
| GOOD ROCK SPEED |グッドロックスピード

OEMセレクトショップ等に商品展開をしてきた会社が、自社ブランドとして設立したのがこのGOOD ROCK SPEEDとのこと。
その歴史もあって、ドレステリア、アダム・エ・ロペ、ビームスユナイテッドアローズなど多数の有名セレクトショップで取り扱いがある。

が、レディースが多い。メンズはあまりない。
ブランド自体が7:3くらいでレディースメインのところ、更にユニセックスサイズの商品をショップ別注でレディースのフリーサイズにしていたりするので、店頭にあるものは結局ほとんどレディースだったりする。

なんとかオンラインで見つけて購入した。

NIRVANA MTV UNPLUGGEDのTシャツ

GOOD ROCK SPEED NIRVANA UNPLUGGEDのTシャツ
事実上のニルヴァーナ最後のアルバム、MTV UNPLUGGED IN NEW YORKのジャケットをモチーフにしたTシャツ。

ニルヴァーナをラウドで破滅的なパフォーマンスのバンドと定義している人もいるかもしれないが、本質はメロディの良さにこそあることがソリッドにわかるアコースティック編成ライブである。

バックプリントはなし。
GOOD ROCK SPEED

ちなみに、このTシャツはノーリーズというショップの別注のオーバーサイズモデルで、同じデザインのオーバーサイズでないものがインラインで展開されている。たぶんサイズが違う以外の仕様は同じ。
ぼくはオーバーサイズでなくてジャストくらいで着たいので別注である必要は全然なかったのだが、インラインのLサイズが各所で売り切れていたのでオーバーサイズのMにした。
結局ジャスト。

ピグメントダイによるTシャツの雰囲気

GOOD ROCK SPEEDのニルヴァーナTシャツ

GOOD ROCK SPEEDのTシャツ

GOOD ROCK SPEEDのTシャツ

GOOD ROCK SPEEDのTシャツ

顔料染めのTシャツに洗いをかけているので、シームのアタリや、毛羽立った生地、ムラのある墨黒などめちゃくちゃ古着っぽい。
顔料染め、ピグメントダイは生地を芯まで染めないため内側に白さが残り、洗っていくうちに色が抜けていく。デニム生地のインディゴ染めの構造と似ている。
(適当に洗濯したら背中側がムラになり、ネットに入れた方がいいなと学んだ)

正直、タグ等隠されて古着店に並んでいたら、ぼくはこの「古着っぽいサラ着」を見分けられる自信がない
首のタグのGOOD ROCK SPEEDの文字もすごく取れやすいプリントなので、ゆくゆくタグも見えなくなって、古着と見分けがつかなくなるのを狙っていたりするのかな、と勝手に想像している。

独特の立ち位置のものづくり

ロックアイコンをピーナッツ風のイラストにしたTシャツみたいな、非公式ないしパロディみたいなバンドTシャツはよくある。
「洋服を作っている」わけではなくて、ありもののボディにプリントを乗っけているだけの商売(本家のアーティスト公式マーチもそんなだったりするから、だから何というわけではない)。
プリントスターとか、ユナイテッドアスレとか、ギルダンあたり。

GOOD ROCK SPEEDが面白いのは、元々OEMでカットソーを作っていた会社が映画や音楽のTシャツを作り始めたという点。
当然ボディはオリジナルで、しかもプリントや染めの種類によって違うものを使っている。
だから商品のそれぞれがちゃんと「プリント屋さんをしている」わけではなく「洋服を作っている」クオリティがある。

このスタンスでTシャツ専売に作っているブランドは他に思い当たるものがない。

ロックT売るぞと企画をするときに選ばれやすいバンド、アーティストっているじゃん? あえて誰とは言わないが。
GOOD ROCK SPEEDの過去のチョイスにはブリトニー・スピアーズエミネムが入っていて、その辺のセンスも好ましく思っている。

古着のバンドTシャツ人気に対する雑感

2022年7月現在、古着ブームである。

古着に何を求めているか?
デザイン性、希少性、コストパフォーマンス、等々いろいろあると思う。

ぼくが古着を買う時に考えていることは、
「お手頃価格で、汚すぎず、ちょっとこなれた感じの服が見つかるといいな」
くらいのもの。
だから古着がめちゃくちゃ好きなのかと言われるとそんなことはなくて選択肢のひとつくらいの感覚。

世間的には、もはや古着という言葉がブランド化しているよな。これは流行の弊害というか避けられない部分というか。

先日原宿の某古着店でバンドTシャツを物色していたら、レッチリのTシャツがあった。
比較的状態が良かったためバックプリントを見ると「THE GETAWAY TOUR」の文字。このアルバムのリリースは2016年である。そのツアーTシャツ。
店のつけてるタグに「VINTAGE RHCP T-shirt」ってあったけれども、ぼくの感覚だと2016年のTシャツなんて古着とかヴィンテージっていうか普通に中古なんだよな。で、7000~8000円とかしてしまう。高いって。
それでも買うって人がいるから仕方がないんだけれど(ファッションコンシャスであっても音楽にそこまで興味のない人ほどその傾向があると思う)。
レッチリのTシャツ」じゃなくて、「古着のレッチリのTシャツ」だからいい、みたいな。古着っていう冠。

90年代以前の服だったらまあ理解できる、弾数がぐっと減るから(ただ反比例して値段がぐっと上がる)。
2000年代以降の、バンドの代表的なロゴTシャツとかだったら、新品で売ってるぞ。
新品で売っているものを新品で買わず、誰かが着古して新品より値段が上がった「古着」状態で買う、これは一体何なのだろう?
古着の価値とは?

みたいなことを考えない人もいるし、否定しない。
「気に入ったから買った」
それでいいとも思う。正解はない。

ぼくは古着のこなれた雰囲気は好きだけれど、じゃあその雰囲気に何万円も払いたいかと言われるとそんなことは全然なくて、同じ値段だったら新品を買いたい
N.ハリウッドとかインパクティスケリーとかの古着っぽいサラ着を作っているブランドが、自分が服に興味を持ったころのメインストリームにいたのも大きい。

海外バンドのオフィシャルTシャツは新品で大体4000円くらいで売っている。
それと大差ない価格で展開しているGOOD ROCK SPEEDのTシャツ。妙に高騰した古着でなく、こっちのほうが自分の性には合っているかもしれない。
ニルヴァーナ公式ライセンス商品
なるべく、公式商品を買いたいし。
古着だと所在がよくわからないものも多い。

まとめ

二次流通で値段が跳ね上がるってのは人気ブランドによくある話。
だが、そもそも定価なんてない古着は、店頭価格から変わってしまう。
古着ブーム、購入する側がいろいろ試されている気がする。

結論、このTシャツはすごく気に入っている。