キャンプに行った際に、彼のバックポケットからちょこんとそれは覗いていた。
そして肉を焼きながら汗をかいた彼は、首にそれを巻いた。
それがなんだか、無性に粋に見えたのだ。
手ぬぐいとは
手拭(てぬぐい)は、汗や顔や手を洗った後の水を拭ったり、入浴時に体を洗ったりするための木綿の平織りの布である。その他、寒暑除けや塵除けなどの目的や、祭礼においての装身具として頭にかぶるものである。
まあ、説明しなくてもなんとなく分かると思う。
大体はハンカチよりもサイズが大きく、切りっぱなしの布。
そこに色々な染めやテキスタイルをほどこした、和の心を感じるグッズである。
いいところ
乾くのが早い
これは木綿だからなのかな?
よくわからないがとりあえず早い。
大きいがかさばらない
ハンカチとタオルの両方の面をひとつでまかなえる。
夏場は自転車、スケートボード、その他アクティビティで汗だく必至で、ハンカチのサイズではちょっと小さい。
でもマフラータオルのようなものを持ち歩くのはかさばる。
この中間地点にいてくれるのが手ぬぐいである。
日本の心
「スケーターでもないのにシュプリーム着てんじゃねえよ」
「じゃあお前は日本人なのに洋服着るんじゃねえよ」
こういった、服の出自に対しての距離感問題は、いつでもそばにある。
往々にしてこういうことは考えすぎると疲れてしまうけれど。
しかし手ぬぐいは問答無用に和の心。日本人こそ使う品。
そっとポケットに入れておくだけで、日本に生まれた幸せ、四季の美しさ、おもてなしの精神、そういったなんやかんやが頭の片隅に寄りそう……は言いすぎだ。
ぼくの手ぬぐい
基本的には土産物感覚というか。
見かけて気に入ったら買う、そんな感じ。
冒頭で書いたように、バックポケットから何の気なしにちょこんと覗いている感じが好きだ。
こうとか
こうとか
他にもいろいろ持っていて
SOU・SOUのやつとか
これはレアものだな。
2003年のBUMP OF CHICKENのツアーで買ったもの。
まあ当時は別に手ぬぐいが好きだったとかではなく、ガキの小遣いで買える手頃な価格のグッズで残ってたのがこれくらいだったのだ。
今はバンプそんなに好きでもないけれど、あの頃より遥かに人気が出ているので、マニアックなファンが10万円で譲ってくださいと言い出すのを待っている。
彼のように首に巻く
なんとなく一瞬ペイズリー柄のバンダナのようにも見える。
加工でそれっぽくお洒落感を出してみた。
が、まあそもそもお洒落しようと思ったら手ぬぐい以外の選択肢なんか山ほどあるわけ。
格好つけたいから使っているわけではなく、精神性の問題なのだ。
だから首になんとなく巻いているときってのはキメてるわけじゃない。
その無造作なところが手ぬぐいの粋ってもんだ。
手ぬぐいの注意点
手ぬぐいの端っこは切りっぱなしだ。
だから使い始めたばかりの手ぬぐいは、ここがほつれて糸が出てくる。
でもそこを切ってやると、だんだんそれ以上はほつれないポイントで落ち着く。
どういう原理なのかはよく分からない。
切りっぱなしのTシャツとかも別にほつれないし、布とはそういうものなんだなきっと。
まとめ
確実にトレンドとは無縁なこのグッズ。
トレンドどころかファッションからも遠い。
それがなんとなく、いい。
このなんとなくが、いい。
てやんでえ。夏だぜ。