日本人なら和服を着るのか?

和服

「おしゃれとはある程度知識の集積」というツイートに深く首肯(記憶から抜粋しているので一言一句正確ではない)。
確かにその通りだと思う。

こういうシャツにはこういうジャケットを合わせる。そういったセオリーはただの知識だ。センスではない。
「こういったジャケット」の選択肢で似たようなものがいくつかあり、どれもセオリーには反していない、そんなときの無意識のチョイスが知識の集積で埋められないセンスの部分だろう。

ファッションに最適解はない

david beckham
ファッションを数値化したりマニュアル化するのは、ナンセンスではある。
ある程度の法則はある。それが一般的に受け入れられるとしても、必ずしも最適解、ベストではない。

デヴィッド・ベッカムの着こなしが100点であっても、ベッカムの着こなしとして100点なのであり、ぼくが真似しても100点ではない。
大前提として、ファッションなんてこのような曖昧模糊としたものなのだ。
現代的に言えば※ただしイケメンに限る。だろうか。
また時間の流れと共に、格好よく見えていたものがどんどん霞んでいってしまう現象もある。

こう改めて考えてみると、服選びなんてえらく面倒くさいものだ。
男性でこうなのだから、トレンド色の強い女性にいたってはより大変だと思う。
というか、この面倒くささを楽しめる人がファッショニスタなのだろう。

個性とは何か

t-shirt
いいものを長く使いたい

時代性にあったものをいち早く取り入れたい
この相反する要素の間で、ぼくたちはバランスをとり、それがその人の個性となっている。

さてそのバランス、その人らしさ、個性。
これがファッションの面白さを決定していると思う。

尖ったモードファッションでも、禁欲的ノームコアファッションでも、その中での選択にはどこか理由があるはずだ。
例えば白いTシャツを買おうと、ヘインズかフルーツオブザルームかどちらかで悩んだとする。
最終的にどちらを選んだとしても、値段か、産地か、生地感か、エトセトラ。何か決め手があってそれを選んだわけだ。まあ指運(というのがこの場合適切かわからないが)に任せたということもあるにはあるだろうけれど、それも運という決め手だと言える。

同じスニーカーでも、黒にするか白にするか。
ライダースはシングルかダブルか。

そんな、どちらが正解だとか答えのないところでの、無意識が重なってファッションが作られる

ぼくの個性

無人島
最近は割とファッションに関して寛容な考え方をしている。
少し前なら、これはありえない、と拒絶していた格好も、まあそういうのもありか、と今思えるというか。
究極的に、本人がいいならいいじゃんと投げやりな思いがあると言えなくもない。

ただファッションの面白さの前提として「人の目がある」という事実はある。これは前にも書いたような気がするが「スーパーファッショニスタは無人島でもおしゃれを求めるか」といったようなレトリックに近いものだ。
とにかく、誰か他者がいるからこそ、ファッションはファッション足り得るとぼくは考える。
それを否定して完全なる自己満足だとのたまう輩は信用できない。

その中でまずぼくが重視する部分は「不快感を与えない」「自分の背景に沿わないものは着ない」。
前者は言わずもがなとして、後者はつまり知らないバンドのTシャツは着ないとかそういうこと。
でも、そうなってくると、「バスケをやらないのにジョーダンダンクをオールスターを履くのはありなのか」「テニスをやらないのにスタンスミスは」「日本人なのに洋服は」など、どんどん制約が多くなるので、あまり深く考えなくてもいいのかなという感じもある。

と、そこまで考えたら、自分では好きでもないバンドのTシャツを着ることはないけれど、単純に流行としてメタルTシャツとか着てる若者に対してもそこまで否定的ではなくなった。
見た目が気に入った、っていうのは、蘊蓄を置いて服を選ぶ理由として最も正当な気もするしね。

ファッションとは見た目に集約する

nike air jordan 1
以前靴屋の店員さん(バスケをずーっとやっていた)に訊いたことがある。

バスケをやらないのに、マイケルジョーダンを知らないのに、ジョーダンのスニーカー履いてる人はやっぱ嫌ですか?
「いや、むしろ、格好いいものだからみんなに知ってほしいですね。だって格好いいんだからみんな興味もってほしいですよ」

そうだよなー、難しく考えすぎたらつまらないよなー。
と身につまされる感じがあった。とか、なかったとか。

意図的に個性を計算しなくても、どこかしらに着る人のパーソナリティが出ているものだ。
格好よければオーケー!
機能性があればオーケー!
人と違うならオーケー!
どれもオーケー!

まとめ

ちなみに素足に革靴はどうしても不潔な感じがするので、ぼくは嫌いだ。

これが言いたいが為に長々書いたんだっけ?