めがねは男にとってはもっとも簡単な化粧と言えるかもしれない。
気分によってかけかえるもよし、自分のキャラを印象付ける一本を選ぶもよし。
知的に見せるのもユーモラスに見せるのも薄い顔を補うのも担ってくれる。
今回は新しいめがねのお話。
エフェクターとEFFECTOR
わかりにくいので楽器のエフェクターはカタカナ、ブランド名のEFFECTORはアルファベットで表記する。
エフェクターというのは、ギターやベースの音にエフェクトをかける装置を指している言葉。
ブランド名EFFECTORは、めがねをかける人へのエフェクトとかけてのネーミングだ。
音楽との関連
EFFECTORはROCK ON THE EYEWEARというテーマを掲げている。
ロックなどでよく聴くことのできる、荒々しく歪んだ音にもいくつか段階がある。
大ざっぱに言うと歪み方の軽い方から
クランチ→オーバードライブ→ディストーション→ファズ
のように名前がついている。
例えばこの曲のイントロからのギターリフがクランチ、サビでの轟音がファズ、最後のギターソロがディストーション、って感じかな。
ファズというのはEFFECTORの代表的フレームの名前でもある。
ディストーションという名前のフレームもある。
ファズほど太くはなく、しかしインパクト充分のこれまたEFFECTORを代表するひとつ。ややつり目型になっている。数が多くなってしまうのであとは割愛するが、EFFECTORには他にも音楽からインスパイアされたフレームが多々ある。クランチもあるよ。
一度作ったモデルは末永く愛されるように、可能な限り存続させていくのだという。
昔からの定番モデルほど、誤差なく作るのが難しく、職人の腕の見せ所だとか。メイドインジャパン。メイドイン鯖江。
ぼくの選んだEFFECTOR PATCH
ぼくが選んだのはPATCH(パッチ)というモデル。これもわかりにくいので楽器はカタカナ、モデル名はアルファベットで表記する。
パッチというと、エフェクターそのものではなく、エフェクター同士を繋ぐケーブルを指している。
となりあったエフェクター同士を繋いでいる部分。それがパッチケーブル。
ちなみにこのエフェクター群が誰のものかわかった人は、もう友達。
EFFECTORのめがねの大きな特徴は厚く太いフレームだ。
メインモデルの多くは8mm厚の生地が使われている。8mmがどれくらい厚いか、セルフレームのめがねをお持ちの方は自分のそれの厚さを計ってもらうといいと思う。
EFFECTORの中に小文字表記のeffectorというラインがあり、これは8mm厚生地のモデルを6mmにしてかけやすさを増したシリーズがラインナップされている(それでも、一般的なセルフレームのめがねと比較すると充分ボリュームがある)。
PATCHはEFFECTOR、大文字表記のメインラインながら6mm厚。汎用性を確保しつつ、しかし正面から見たときのインパクトある存在感も持っている。
思うにエフェクター同士を繋ぐケーブルに由来するネーミングは、EFFECTORとeffectorを繋ぐ、というような意味合いではないだろうか。違うかもしれないけど。
ディテール
飾り鋲を廃したフロント部分。
パッチという主役ではないが縁の下の力持ち、みたいな意味もあるかもしれない。
堅牢な7枚蝶番。
ぼくの携帯の画質では質感のよさが伝わりきらないのが残念なので、拝借した綺麗な写真も。
EFFECTOR 新作 PATCH | crystalmore optical
素材
ちなみにPATCHは、ブラックとコニャックというカラーは通常よく使われるアセテートではなく、セルロイドを使用して作られている。
さらに通常アセテートだとテンプル、つるの部分に金属の芯を通すのが一般的だが、これは芯なし、ノー芯といわれる製法。
セルロイドとは
セルロイドを使用したメガネは希少になりました。
セルフレームやセル枠と言われる合成樹脂を使用したメガネフレーム。
その語源は「セルロイド製のメガネフレーム」からきています。
残念なことに現在流通している合成樹脂系のメガネフレームのほとんどはアセテートになってしまいました。セルロイドは発火しやすい、紫外線に弱い、天然素材(植物を原料にした合成樹脂)なのでとてもデリケートです。
このように繊細な素材が故に、メガネフレームになるまでの加工工程が全て手作業になるため、保管や加工が容易なアセテートが主流となりました。
(中略)
アセテートと比べ発色が良く、光沢感がとても
綺麗です。セルロイドメガネを所有している方だけがわかる「違い」です。
アセテートとの最大の違いである「弾力性」。
セルロイドだからできる芯をテンプルに通さないフレーム。
合成樹脂の透明感・美しさを最大限に引き出せます。
泰八郎謹製など、昔からの伝統的職人のめがねブランドだと、セルロイド製にこだわっていたりする。
ぼくの昔作っためがねでセルロイド製のものがあって、でもそれは手入れを怠っていたから白く曇ってきてしまったんだよね。それはJINSの取り立てて高いものでもないから、適当に扱っていた。
でも扱いの難しいものほど、愛着がわくというのもある。
PATCHは綺麗に使い込んでいこうと思う。