A.P.C. PETIT NEW STANDARD今後の予定

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ジーンズの魅力のひとつは、色落ちだ。

毎日同じスラックスを穿いてて、それが伸び、やれ、色褪せたとしたら、それは魅力にはならない。
なのに、このインディゴ染めのずぼんときたら、
「こんなくたびれた俺も……認めてくれないか?」
「言わせんなよ、ブラザー」
ってなものである。

濃紺だって格好いい、ボロボロだって格好いい。それがジーンズ。
買った日からあらゆる出来事を共有し続ける相棒になる。

ボロボロだって格好いい、とは言ったものの、そのボロボロ具合や色落ち具合にも好みや良し悪しがあって、いかにジーンズを穿くか洗うかというのは千差万別、十人十色。

A.P.C.のDENIM RECIPE

そこでみんな試行錯誤するわけだが、ぼくの穿いているA.P.C.が提唱するのは、こういうもの。
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1 過激主義 出来るかぎりジーンズを洗わずに履き続け、初回洗い はドライクリーニングで、2回目以降の洗いは、 WOOLITE NOIR(濃色製品用洗剤)を少量混ぜた水に ジーンズを1時間程浸けておき、すすぎ、バスタオル で包んで干す.

2 セミ過激主義 WOOLITE NOIRを混ぜた水にジーンズを1時間程浸け ておき、こすらずにすすぎと脱水をし、干す.
3 洗濯機 WOOLITE NOIRを使い、メニュー:常温水、デリケート 洗い、脱水無し.

4 海水 出来るかぎりジーンズを洗わずに履き続け、ジーンズ を履いたまま海に入る. 乾いた砂でこする. これを何度か繰り返す. 水ですすぎ、太陽にあてて乾かす.

リジッドのジーンズを買うとこれらが書かれた紙がポケットにつっこまれている。

4つ目はギャグなのか、ガチなのか。
フランスのジョークに困惑から抜け出せない我々に、A.P.C.はポケット紙に書かれていない5つ目の洗い方をTwitterで叩きつけてきた。

5 ジョニー・バーネット 髪にグリースを塗ったスモーカーたちへ、ジーンズは絶対に洗わない。タバコを吸う時は、決まって髪をかき上げた手を灰皿代わりにし、その手を太腿にこすりつける。ジーンズはブルーグレーに変色し、暑い砂浜は不快でしかない。

いや、もう、何を言えばいいのか。わけわからん。
既に洗い方の話ではない。

とにかく基本方針としてA.P.C.は、「なるべく洗うな」と言ってるわけだ。おそらくのところ。
それに乗っかるのも乗っからないのもこっちの勝手だし、さらには「なるべく洗わない」のなるべくってどれくらいの時間なのか?なんて考え出すとキリがない。

ぼくの方針

リジッドのまま穿いて、なるべくファーストウォッシュまで時間をかける。
リジッドのまま穿くと色落ちはコントラストがくっきりする反面、生地が硬いのでダメージが大きくなる。
さらには洗わないでいると雑菌も繁殖するので、生地にはよくないことだらけ。

その、崩壊までの限界を見定めて洗うつもり。
セルビッジ・ジーンズの色は落ちるのではなく削れる、と教えてもらったことがあるが、削れるという表現はかなり的を射ていると思う。

ぼくは糊を落としたばかりの濃紺から青によっていった色味があまり好きではない。
だから、ファーストウォッシュから全体的に見て取れるくらいの色落ちになっていくまでの間の野暮ったい期間が苦痛だ。
それを避けるために、洗う前に既に色落ちが確認できるレベルにしたいと思っている。
丈の長さ的にロールアップもしたいところだが、あまり頻繁にやっているとロールアップの癖が取れずそれに沿って色落ちする。
それはあまり好きではないので、たまにやる程度で。
apc faded petit new standard
こういう感じの雰囲気を目指したいのだが、これはぱっと見で「かなり洗ってなさそうだな」とも思える。
色味はこういう雰囲気でありつつ、A.P.C.らしい上品さは失わない、というのが理想。
ま、ジーンズの色がどうなるかなんて、毎回のことながらわかりはしないし、ケチャップをこぼすかもしれないし、あまり深く考えても仕方がないんだけど。

これから暑い暑い夏が来るため、たまには裏返して天日干ししたり、冷凍庫につっこんだり、雑菌対策もして、清潔さは守る。

余談

スウェーデン発のブランド、ヌーディージーンズは、6か月洗うなというのを推奨しており、その文言がデニム地にプリントされたタグがついている。
それを取り外し、ジーンズを穿き、洗って色味の変わった頃にその元の色を保ったデニム地タグと比較してニヤけてくれ、というなんとも憎い計らい。

が、このデニム地タグは最近廃止されてしまったらしい。ムムム。

とにかく、ジーンズにこだわりのあるブランドの多くはファーストウォッシュまでの時間を長くとろうとする。
要するにその期間が最もジーンズのその後を左右する。

ぼくは洗い方にはとくにこだわりはない。
ないけど、ないなりに自分のやり方を、このプチニュースタンダードをざぶざぶやる頃にまた書こうと思う。いつになるやら。
6.GSSMBOYてな感じ。

だらだらと書いたが、みんなが憧れるオールド・リーバイスなんて作業服。アメリカ人がなんにも考えず穿き倒して、なんにも考えず洗ったものだ。

無意識に穿いてるくらいがちょうどいい。