書きながら少し調べたことなどもあって、革について詳しくないなと自覚。
革製品って好きだけど、あんまり所有してないな。
ライダースを着たいけど着る場面がない、そんな日本の気候。
前回のエントリはこちら
現在のエイジング状況
使い初めの頃と較べると、一目瞭然で艶感が増している。
ビフォー
アフター
初めはヌメ革のような、表面がさらさらと粉っぽい感じがあったのだが、今はその面影はない。
印象としては、ある程度早い段階でそこそこの艶が出て、そこから先はじりじりとゆっくりエイジングしていく感じかな。
今改めて比較してこんなに変わっていたのか、と思ったけれど、途中では「もうちょい艶の深さが欲しい」みたいなことを書いていたし。
撮影状況等で革の写り方も随分違うし、撮影しているカメラ(というか、スマートフォン)が変わっているから純粋な比較はいつだって難しいけれど、しかし今の風合いはなかなか堂に入ったものだと思う。
細部
写真あれこれ。
全貌
内側は外側より当然エイジングは遅い。
まだマットな雰囲気も残っている。
コイン室のスナップボタンや、カードの当たるところが色が濃くなっていることから、摩耗や加圧でネイビーが漆黒に近づいていくものだと推測していた。
だが、外側にそんな局所的な力は加わることがほとんどないから、色の濃度の変化は必然ゆっくりとしたものになる。
最近になってようやく、札入れの段とか、カードとか、その箇所のアタリのような感じで若干色が濃くなったような気がする。
それは要するに全体的にもまだエイジングの余地があるってことで、まだ楽しみは残っている。
また、使い初めは革自体と同系色に見えたステッチも、財布全体が色を濃くしたために若干明るく目立つようになった。
コバ
擦れて、地肌というのかな、革の素の部分が結構出てきている。
バイカーウォレットみたいなものだと元々こういう仕上げのものがあるけど、これはこれで、まあ特に言うことはない。
ミネルバリスシオ再考
イタリアの気鋭タンナーについて考えてみる。
バダラッシ・カルロ社のミネルバリスシオという革の特徴
・ 化学薬品を使わずに鞣されている
時代とは逆行するような伝統的な手法で作られている。時間をかけてオイルを浸透させているため、その油分が抜けにくい。
・ エイジングが比較的早い
使い始めはマットな質感だが、だんだん色が濃くなり艶が増してくる。
・ 革の風合いを活かした仕上げ
透明感があり、革そのものの質感を損ねない色が使われている。
上記は一般論というか、検索すれば出てくる公式プロフィールのような謳い文句だ。
実際に使っての印象
革製品を選ぶ際にタンナーやらなんやらまで気にする層がどれくらいいるのかは分からないが、ここからは今まで使ってきた実際の印象を書いてみる。
大雑把に言ってしまうと、若干高級感に欠ける感じがする。
この辺の説明は少し難しい。
というのも、長年使い込まれた革というのは、よほど粗悪品でない限りそれなりに美しくなっているものだから。
今のこの風合い、艶も、ミネルバリスシオが飛び抜けてすごいとは思わない。
革の良し悪しが何で決まるのか、という話になるが、結局は革の好きな人そうでない人問わず第一印象で「なんだか高級そう」だとか「いい革使ってそう」だとか思わせてしまうパワーなのではないか、とぼくは思う。
エイジングの振り幅ならば生成りのヌメ革にかなわないし、光沢感ならコードバンだってある。
どんな革にせよ、見るものを問わず第一印象のパワーこそ、革のクオリティなのではないかな。
そんな恣意的な話あるかよと思わないでもないけど。
そういう意味では、ミネルバリスシオは割と値段なりというか。
結局革のクオリティは値段にある程度忠実に比例している。
ミネルバリスシオはいい革だと思うけれど、最高の革だとは思わない。という感じ。
だからお金に糸目をつけず、最高の品質の財布を選びたいと思ったら、多分買わない。
つまり、価格相応の品質、だと思った。
まあ難しいとこだよね。 ヘインズのTシャツみたいな、製品としてのクオリティが最高とは言わないが、日用品として最高、みたいなものだってある。
ただ財布って基本消耗品ではないから、よりよいものを選んでも良かったな、と思わなくはない。