CONVERSE ADDICT CHUCK TAYLOR CANVAS OXについて
手に入りやすいとは言えないが、手に入らないものではない。
見かけない日はない、と言ってもいいレベルで毎日見かける。
別にそれはそれでいい。
スタイルを持っている人間は、たとえ制服を着ていても消えない。
チャックテイラーとは
チャックテイラーって何? という方の為に。
ざっくりインラインの定番オールスターとチャックテイラーの違いを列記。
写真はすべてコンバースアディクトのサイトから引用。
プレイヤーズネーム
元々バッシュなのでタンの裏に選手が名前を書く欄がある。
あて布、サイドステッチ
ダメージを受けやすい指の付け根部分に、内側から補強の為に布を重ねている。
そのため、オールスターにはないステッチがアッパー側からも見える。
ヒールパッチ
時代によって三つ星だったりひとつ星だったり微妙に違うが、とりあえずこの紺ないし黒の特徴的なヒールパッチがついている。
フォルム
全体的に細身シルエットで、特にトゥキャップ周りのシャープさ、フォクシングテープに高さがある(よくレビュー記事でソールが厚いと書かれているが、ソールが厚いのではなく外側に巻いてあるテープの幅が広いというのが正しい)。
CONVERSE ADDICT CHUCK TAYLORのディテール
2020年春モデルの黒キャンバス、ローカットである。
シューレースは生成りの平紐、黒の丸紐が付属していたが、どちらも使っていない。
米コンバースのChuck Taylor 70(通称CT70)についていたものを通している。
堅牢な印象を受ける。
それはアップデートされたパーツに由来する部分も当然あるのだけれど、雰囲気が重厚なのだ。
雰囲気がどうこうという、言語化から逃げるような表現になってしまうのはとても歯がゆい。
しかし、やっぱり、チャックテイラーは雰囲気がとても大事だし、とりわけアディクトはそういう側面が強い。
トゥキャップ
かなり小さめに作られたトゥキャップ。
そのうちCT70とも比較しようと思うが、少し触れておくとアディクトの方が小さく作られている。
チャックテイラーの特徴でもあるつま先の反り返りはそれほど強くなく、ビブラムソール(後述)が硬いがゆえにそうなっているのではないか、と思っている。
これはコンバースアディクトのディレクターのインタビュー記事。
その中で
シルエットは個体差があるので何とも言えないところもあるのですが、70年代や80年代のオールスターはつま先が地面にベタっとくっつくフォルムなのに対して、60年代のオールスターはソールが適度に反っていてつま先が浮いているんです。その方が僕はきれいに感じたし、反っていないと歩いていて時々つまづくんですよね。
という言葉がある。
なので、反り返りの再現とソールのバランスの落としどころがこういう感じなのだろう、とぼくは認識している。
サイドステッチ
ヴィンテージのチャックテイラーはここに個体差が多く見られる。
ほとんど見えないくらい小さなアーチになっていたり、左右で幅がずれていたり。
アディクトは縫製がとてもしっかりしていて、精度が高い。
そのため、ヴィンテージっぽい雑さはあまりない。お手本のように綺麗なステッチが入っている。
アウトソール
コンバースアディクトの最重要アイデンティティとも言える、ビブラムソール。
詳しいことはよくわからないが、初期のモデルよりもさらにハイスペックなものが搭載されているらしい。
ぼくは初期のモデルを10年以上履いていて、そのタフネスは身をもって知っている。
インラインのオールスターとコスパで比較するのはナンセンスだが、長期的な目線で言えば決してコスパは悪くない。
それに、単純に、黒いアウトソール格好いいし。通常の赤茶色より。
人から見えないにしても。
インソール
PORONを搭載したインソール。
かなりヒール部分にボリュームがある。
柔らかくふかふかな履き心地ではなく、硬めだがしっかり押し返してくる印象。
ヒールパッチ
ブラックキャンバスには黒のヒールパッチ。生成りのモデルには濃紺だった。
三つ星。
履いているうちに削れてくるのを防ぐためか、やや上の方に取り付けられている。
デリケートな人はここを守るためにシューグーで覆ったりするそうだ。
そういう類のスニーカーではないと思う。
その他
右足のタン裏にプレイヤーズネーム欄。
見た目からではわからないが、ライニングにOUTLASTという湿度を調整してくれる素材を使っている。
着用イメージ
インソールが厚いこと、コンバースジャパンは羽根をぎゅうぎゅうに閉じて圧迫するような履き方を推奨していないこと(これはN.Hoolywoodのスタッフ談で、健康上の問題だという)などの理由で、CT70よりシューレースを締め上げにくく感じる。
甲高の人は、インラインのオールスターやCT70よりもハーフサイズ上の方がいいかもしれない。
そこまでシビアではないと思うけれど。
この印象は初期のモデルでは感じなかったので、木型がマイナーチェンジしているのだろう。
シューレースがゆるゆるなのは格好悪いが、タンが覗かないレベルで締め上げているのも病的な感じがする。
その辺はお好みで。
とにかく、硬めでがっしりしたキャンバス地や木型、インソール、いろいろな兼ね合いでかなりしっかりしたホールド感がある。
これがビブラムのアウトソールと相まって、独特の履き心地なのだ。
明らかにインラインのオールスターとは一線を画す。
高機能インソールの反発もあり、まさに見た目はクラシックで中身はハイスペック、進化するヴィンテージを体現している。
N.Hoolywoodに関連したトピックで、コンバースジャパンのものづくりにおける制約などに触れていて面白いのでこちらの記事もご紹介。
まとめ
書き出しと矛盾することを書く。
ぶっちゃけ、チャックテイラー履きたかったけど、CT70履いてる人多すぎてちょっと敬遠してた(でも買った)。
アディクトとCT70がどっちが優れているとかそういう話を今するつもりはないが、大げさに言えばアディクトはアディクトの世界観をきちんと形成していると思う。
どちらもチャックテイラーではあるけれど、アディクトはアディクトとしか言いようがないというか。
なんにせよ、格好いいから、たくさん履きたい。